こんにちは。かにゅと申します。
理系のための国家公務員試験のノウハウの第4回として,僕自身の国家公務員総合職試験の合格体験記を紹介していきます!体験記③では1次試験の専門試験の解説をします!!
ここでは具体的な勉強方法やおすすめの参考書などを紹介していきます!!
本編から国家総合職試験の中でも工学区分,特に土木系の学生向けの内容になります!!
僕の経歴やブログの趣旨についてはこちらをご覧ください。また,今回の内容の前提についてはこちらをご覧ください。
1次試験・専門試験とは?
はじめに国家総合職試験の1次試験,特に専門試験について解説します。
1次試験は基礎能力試験と専門(多肢選択式)試験の2つで構成されています。基礎能力試験はいわゆる教養を問うもので30問,専門試験が①で紹介したように区分ごとに専門性を問うもので40問,合計70問あります。どちらもマーク式で4択の中から正答を選ぶシステムです。
それぞれには基準点という足切りが存在しており,それぞれ3割以下の点を取ると不合格となってしまいます。
工学区分の場合,専門試験は40問のうち,20問が共通科目,20問が専門選択科目になっており,3時間30分で解きます。専門選択科目は,1科目あたり5題用意されており,29科目の中から4から6科目を選択して20問に回答します。つまり,分かる問題だけをつまみ食いして解くことができます!
以下では土木系の学生が選べそうな科目のみをピックアップしています。
共通科目 20題
- 数学 9題
- 物理 11題
専門選択科目 20題(4から6科目を選択)
- 技術論
- 工学基礎実験
- 構造力学(土木)・土木材料・土木施工 *構造力学(建築)と併用不可
- 土質力学・水理学
- 環境工学(土木)・衛生工学
- 構造力学(建築) *構造力学(土木)・土木材料・土木施工と併用不可
- 土木計画
専門試験の目標点数は?
基礎能力編と同様に昨年の人事院の資料より,平均点の16.605,標準偏差の5.659から正規分布と仮定して累積分布関数と確率密度関数で示したのが以下になります。
そしてこちらの記事で紹介したように工学区分の実質倍率は1.25であることから,下位20%が不合格であることがわかり,大体12点であることがわかります*。これは基準点の12点と同じです。つまり,最低でも12点を超えることが目標になります!
*この平均点と標準偏差は大卒程度の試験結果のため,院卒者は含まれていません。
専門試験の基本戦略
ここでは目標最低点の13点に3点を追加して,15点を目標とした僕の得点戦略を紹介します!横には過去問演習で参考程度に考えていた時間配分を書いています。
共通科目 20題 → 8題正解 4分×20題(80分)
- 数学 9題 → 4題正解
- 物理 11題 → 4題正解
専門選択科目 20題 → 7題正解 4分×20題(80分)
見直し・検算 45分
マークチェック 5分
過去問を解いてみるとわかりますが,基礎能力試験と異なり専門試験は時間に余裕があります。しかし,解き方がわからない問題が基礎能力試験より多いはずなので,まずはある程度飛ばしながら2時間40分ぐらいかけて全ての問題に手をつけます。その上で時間がかかる問題に集中したり,検算をするといった時間の使い方が良いと思います。
時間に余裕があるということは時間の使い方に自由度があるということです!なので,時間のマネジメントが高得点の鍵になります!!
専門選択科目では前項で示した科目を満遍なく解きました。構造力学は例年土木の方が難しいので,場合によっては建築の方を解きます。(本番は土木を解きましたが,過去問演習では五分五分ぐらいです。)
また,僕の場合は土木計画などのソフト系(非計算系)が苦手なので,解けそうな問題があれば情報基礎なども解きました。(たまに簡単な確率の問題などが出たりします)
専門試験の勉強方法について
いよいよ具体的に,問題ごとに実際にした勉強方法について紹介していきます!なお,ここでは前回紹介したスケジュールの中の最初の6週間,専門試験の問題演習について紹介します
共通科目
共通科目は工学の場合,高校までの範囲の数学と物理になります。難易度としては共通テスト(センター試験)レベル程度でしょうか。場合によっては高校の期末試験の方が難しい問題が出てるかもしれない程度のレベルです。
ただ,大体の大学生3年生および大学院生は公式や解法を忘れてしまっていると思います。僕もそうだったので,以下の参考書で勉強をしました。問題自体はこの参考書の典型問題が解ければ多少の応用は必要ですが,十分解けるレベルです!共通科目はこの参考書以外は過去問演習しかしていません!!
また.この本にあるフローチャートの問題は昨年の基礎能力試験に出題されています!つまり,基礎能力試験の一部対策にもなる可能性があります!
技術系公務員試験 工学の基礎[数学・物理]攻略問題集 新版
専門選択科目
ここに関しては基本的に大学の教科書でOKです!2次試験の際に2科目記述問題を解くことになるので,得意な2科目は全力で勉強するのをお勧めします!!しかし,水理や土質のように5題を分け合っている科目があるので,他の科目もある程度勉強はしておきましょう!
僕の場合は構造力学と土質力学の2科目は教科書を見直して巻末問題などを解きました。また,環境工学(土木)・衛生工学は毎年の傾向が似ているのである程度力を入れて勉強しました。
教科書については基本的にお手元のものでいいのですが,僕の場合,環境工学や衛生工学が先生自作のスライドで教科書を使わず,かつ保存していなかったので公務員用の教科書を購入しました。(基本的には買う必要はないと思います)
また,環境工学や衛生工学に関しては時事的な数値の問題が出ることがあるので,環境省が毎年出している白書を読み込みました。こちらは早く読んでも忘れるだけなので,試験直前に一通り読めると良いと思います。白書に関しては基礎能力試験の時事問題や官庁訪問のESのネタにもなるので,環境省以外にも希望省庁のは読むことをお勧めします!!
ただここで一つだけ注意があります。国家総合職試験では科目ごとに出る単元に偏りがあり,全てを網羅的に学ぶ必要はありません。なので,ある程度内容を思い出したら,過去問を解いて分からないところを補強していく勉強法が一番効率的です!そのため,あまり力み過ぎずまずはざっと復習する程度でいいと思います!
土木職公務員試験 専門問題と解答 選択科目編
環境省・白書
勉強時間について
最後に勉強時間についてです。僕の場合は共通科目は先ほど紹介した参考書を1周して解けないところだけをもう1周しました。また,専門選択科目はひとまず教科書をざっと見て復習をした程度です。
正直試験の2ヶ月前ぐらいは基礎能力試験の対策や共通科目の勉強の方が重要です。なので,専門選択試験は先ほど言ったように過去問演習を通して学ぶスタイルでいいと思います!
なので勉強時間としては共通科目が25時間,専門選択科目が10時間程度でしょうか。共通科目の参考書はそこそこ量があるので,そっちに注力するイメージです!
おわりに
いかがだったでしょうか?
専門試験はまず,共通科目に集中して専門選択は後回しで大丈夫です!大切なのは高校レベルの計算が問題なくできることで,その力があれば過去問演習を通じて専門選択科目も徐々に解けるようになります!逆に教科書の問題演習の時点では過去問が解けなくても全く問題ないので,焦らず頑張りましょう!!
ちなみに僕はこの勉強量で当日26/40点でした!
皆さんも是非この勉強方法を参考にして,専門試験を攻略してください!!
それでは第4回の過去問演習編でお会いしましょう!
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