こんにちは。かにゅと申します。
理系のための国家公務員試験のノウハウの第3回として,僕自身の国家公務員総合職試験の合格体験記を紹介していきます!体験記②では1次試験の基礎能力試験の解説をします!!
ここでは具体的な勉強方法やおすすめの参考書などを紹介していきます!!
僕の経歴やブログの趣旨についてはこちらをご覧ください。また,今回の内容の前提についてはこちらをご覧ください。
1次試験・基礎能力試験とは?
はじめに国家総合職試験の1次試験,特に基礎能力試験について解説します。
1次試験は基礎能力試験と専門(多肢選択式)試験の2つで構成されています。基礎能力試験はいわゆる教養を問うもので30問,専門試験が①で紹介したように区分ごとに専門性を問うもので40問,合計70問あります。どちらもマーク式で4択の中から正答を選ぶシステムです。
それぞれには基準点という足切りが存在しており,それぞれ3割以下の点を取ると不合格となってしまいます。
基本能力試験は大別すると文章理解(国語,英語),判断推理・数的処理・資料解釈,知識問題の4つに分かれており,30問を2時間20分で解きます。それぞれの問題の割合は2024年の場合だと以下の通りです(年度によって多少の差はあり)。昨年からは大卒程度も院卒者と同じ30問になり,大幅に知識問題が減ったようです。過去問と比較すると問題構成は異なりますが,内容そのものは変わりないので,傾向自体は今までと同じと考えてOKです!
文章理解 10題
- 国語 4題(内容理解3,文章挿入1)
- 英語 6題(内容理解4,並び替え1,文章挿入1)
判断推理 6題
数的処理 5題
資料解釈 3題
知識問題 6題
余談ですが,マーク式なので原則鉛筆の持参が必要です。僕は試験会場にシャーペンしか持っていかず,試験官に相談したところ,自己責任とのことになり問題はありませんでしたが,念のため,鉛筆は持っていきましょう。(こういうところで独学の脆さが出ますね…)
基本能力試験の目標点数は?
昨年の人事院の資料を見ると,一次試験の基礎能力は平均点が15.297,標準偏差が4.372となっています。この結果を正規分布と仮定して累積分布関数と確率密度関数で示したのが以下になります。
そしてこちらの記事で紹介したように工学区分の実質倍率は1.25であることから,下位20%が不合格であることがわかり,大体13点弱であることがわかります*。もちろん,基準点の9点を超えていれば,専門で挽回することは可能ですが,イメージとしては最低でも13点を超えることは目標にできれば良いと思います。
0から30まで綺麗な分布になっていますね。
ちなみに参考文献2)の公務員ライト様のサイトではR6大卒程度のボーダーが11点,R3院卒者のボーダーが11.7点とあるので,やはり13点が最低限目指したい数字になると思います。
*この平均点と標準偏差は大卒程度の試験結果のため,院卒者は含まれていません。また,工学区分ではなく,全て区分の平均であるため,あくまで概算であることにご了承ください。
基本能力試験の基本戦略
ここでは目標最低点の13点に2点を追加して,15点を目標とした僕の得点戦略を紹介します!横には過去問演習で参考程度に考えていた時間配分を書いています。
文章理解 10題 → 7題正解 5分×10題(50分)
- 国語 4題(内容理解3,文章挿入1) → 3題正解
- 英語 6題(内容理解4,並び替え1,文章挿入1) → 4題正解
判断推理 6題 → 4題正解 5分30秒×6題(33分)
数的処理 5題 → 3題正解 5分30秒×5題(27分30秒)
資料解釈 3題 → 2題正解 5分30秒×3題(16分30秒)
知識問題 6題 → 0題正解 1分30秒×6題(9分)
マークチェック 4分
まず文章理解は国語に関しては,ある程度時間を掛ければ解ける難易度なので,少し時間を使ってでも正解を狙います。一方で,英語は僕が苦手なのもあり,場合によっては捨て問も作る覚悟で半分取れれば良いと考えました。帰国子女や英語が得意な方は簡単に満点が取れると思います。(僕も過去問演習では確変を起こしたら取れるレベルです)
判断推理と数的処理に関しては次項で解説しますが,やればやるだけ解けるようになります。ですが,準備時間の兼ね合いや試験中の時間配分を考えると,このくらいの正解率の目標が精神衛生上いいかと思います。時間に関しては時間が掛かる問題はどうしても掛かるので,平均してこれくらいです。
資料解釈に関しては,時間を掛ければ確実に取れる問題なので,確実に狙いたい問題です。英語がどうしても苦手な方や判断推理・数的処理が苦手な方は資料解釈を確実に取るのも1つだと思います。
最後に知識問題は完全に捨ててます笑。大学受験や高校受験の知識で答えられるものが大半ですが,出題範囲がとても広く,かなり運に左右されるので,最初にチラ見して,解けそうな問題以外は好きな数字を選びましょう。なお,2024年からはデジタル分野に関する内容や時事に関する内容が出題されているため,こちらは対策次第では解ける可能性があるかもしれません。
以上が基本戦略ですが,かなり安全側に設定しています。実際のところ,文章理解はこの時間内で済むことの方が多く,数的処理も瞬殺できる問題があるため,残りの問題に時間を再分配できることが多かったです。逆に捨て問を多めに用意しても点数さえ取れればいいので,個人で戦略を練ってもう少し配分にゆとりを持ってもいいと思います。
また,知識問題に関しては適当にやっても期待値的には1.5点は入る可能性があります。なので,準備さえ怠らなければ,この目標を超えることは難しくないはずです!
基礎能力試験の勉強方法について
いよいよ具体的に,問題ごとに実際にした勉強方法について紹介していきます!なお,ここでは前回紹介したスケジュールの中の最初の6週間,基礎能力の問題演習について紹介します。
文章理解
まずは文章理解ですが,文章理解に関しては特別な対策方法はあまりないと思います…国家総合職試験ではTOEICによる加点があるので,TOEICのスコアが足りていない人はTOEICの勉強をするのが一番いいと思います!強いていうのであれば,過去問演習をたくさんして問題に慣れるぐらいですかね。
判断推理・数的処理
この2つが1次試験対策としては1番大事だと思います。理由としては問題の傾向が分かりやすく,かつ対策するかしないかで差が出やすいからです!数的処理は中学受験や高校受験で上位校を受験した人や算数・数学が得意な人であれば結構初見でも解ける場合が多いです。一方で,判断推理は解法を知っているか否かという点が要素として大きいです。
僕のおすすめとしては参考書をそれぞれ買って,問題の傾向と解法を身につけるのが1番だと思います!実際に使った参考書がこちらです!!おそらく公務員試験の定番の参考書ですが,過去問10年分といている中で,この本で対応できない問題はほぼ無かったので,間違いなくベストだと思っています!!
畑中敦子の判断推理ザ・ベストNEO(大卒程度 公務員試験 教養試験対策)
畑中敦子の数的推理ザ・ベストNEO(大卒程度 公務員試験 教養試験対策)
資料解釈
資料解釈については正直参考書を買わずに過去問を解くだけでも十分です。ただ,あまり自信がない方や過去問演習をしてみて得点源にできていない方は判断推理・数的処理と同じシリーズのこの本を書いましょう!!(最初に僕はまとめて3冊書いましたが,正直言ってこれはなくてもよかったです)
畑中敦子の資料解釈ザ・ベストNEO(大卒程度 公務員試験 教養試験対策)
知識問題
知識問題については,前述の通り力を入れる必要は全くありません。ただ,情報系の能力を問う問題として,2024年度はフローチャートが出題されており,似たような傾向が続く可能性があります。このような問題は実は,専門試験の数学・物理で勉強することになるので,工学区分の人は専門の勉強がそのまま活きる可能性があります!
また,土木系の専門選択をする場合のおすすめの勉強として,白書を読むというのがあるのですが,基礎能力試験の時事問題を中心とする傾向から,意外とピンポイントで問題が当たることがあります!白書については他の記事で書くのでその際に詳しく話します!
勉強時間について
最後に勉強時間についてです。僕の場合は先ほど紹介した判断推理・数的処理・資料解釈の3冊の参考書だけを頼りに勉強しました。数的処理についてはそこそこ自信があったので,全ての問題を1周して解けないところだけをもう1周,判断推理は全ての問題を2周,資料解釈は全ての問題を1周解きました!
およそですが,数的処理が15時間,判断推理が20時間,資料解釈が10時間程度と言ったところでしょうか。なので,大体6週間前から始めて何かしらを毎日1時間づつ勉強する程度の勉強量です!
いずれにせよ,今回紹介した参考書を一通りこなせば,間違いなく合格点に届きますし,試験の2ヶ月半前から始めれば余裕です!!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
6週間毎日1時間というと少し大変そうなイメージを持つかもしれませんが,実際は土日に3時間や5時間まとめて勉強していたので,平日の負担や研究への影響はほとんどありませんでした!
ちなみに僕はこの勉強量で当日21/30点でした!(文章理解8,判断推理5,数的処理4,資料解釈2,知識問題2)
皆さんも是非この勉強方法を参考にして,基礎能力試験を攻略してください!!
それでは第3回の専門(多肢選択式)試験編でお会いしましょう!
参考文献
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